金貸し父さんと評価尺度の囚人

ごきげんよう

お盆の週ですから皆さんのタイムラインも帰郷モード一色ですね。
僕はあまり帰郷したいと思わない方なのですが、父が死んでからというもの余計に帰る頻度が落ちてしまいましたね。
怒ってくれる人がいないとなかなか手を付けられないのは昔から全然変わりません。

帰郷と言って思い出すことといえば、そう。やはりあのナニワのノンバンクのおっちゃんだった父のことです。

私には一人の父が居た。一人は金貸し父さん。以上である。

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金貸し父さんと評価尺度の囚人【バックナンバー集03】|ユウタロス|note(ノート) https://note.mu/grand_bishop/n/nec0210400f9d

金貸し父さんの友達論

ごきげんよう

今年は東京で花火や祭りを楽しむ夏を迎えています。
僕は大阪南部、エリア的には泉州というところで育ちましたが、泉州だんじりという山車を曳きまわすお祭りが盛んなところでお祭りの熱気は故郷を思い出します。
嫌いではありません。

お祭りと言えば思い出すことがあります。そうやはりあのナニワのノンバンクのおっちゃんだった父のことです。
今週はやたらと死んだ父のことを思い出しますが、お盆だけに墓参りにも来ようせず東京で消耗している僕の枕元に立って嫌味の一つも言いに来ているのかもしれません。

私には一人の父が居た。一人は金貸し父さん。以上である。

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金貸し父さんの友達論【バックナンバー集02】|ユウタロス|note(ノート) https://note.mu/grand_bishop/n/n7a7140b3c52c

金貸し父さんのキャッシュフロー

ごきげんよう

なんか住宅ローンがどうのこうので盛り上がってるみたいだが、低金利時代のローンの有用性などはそれこそ鬼のように詳しい人達が一杯書いてくれてるのでそちらをみてもらって。。

お金というのは身近なようで本質的にはバーチャルな部分があるので頭がいい人はちょっと勉強すれば理解し掴むことが出来るのだろうけど、数字にそれほど強くない人は子供の頃に「借金ダメゼッタイ」「オカネコワイヨ」みたいな教えを受けているとなんだか無用に恐がったりすることもあるようだ。
僕の方はというと数字にはめっぽう弱いのだけど幸い子供の頃からおカネについては父がいろいろと教えてくれていたので今になってそれが金融アレルギーにならず本当に感謝している。
よく考えるとお金に関することというのは学校ではあまり教えてくれないので意外と詳しくないまま大人になる人が多いのかもしれない。

そんなこんなのタイムラインを眺めていたら父のことを思い出したので懐かしいので忘れる前に書き留めておこうと思う。

私には一人の父が居た。一人は金貸し父さん。以上である。

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僕が個人タクシーに乗らなくなった理由とサービスの均質化について

ごきげんよう

昔社員全員がタクシーで出社できる会社にするって言って潰れた会社ありませんでしたっけ?
まぁどうでもいい話ですが。

さて、ここはとある都心のマンションの前。雨の日の朝、またいつもの奇妙な光景が繰り広げられています。
このあたりは大型のマンションが多く駅まで少し歩かなくてはならないこともあり、雨の日の朝はタクシーをマンションの前で拾おうとする人で行列になります。
列には病院まで向かうのか付き添いの人の差す傘に入る上品な老婦人、そして僕、その後ろには通勤であろう高そうなスーツを着た身なりのよい老紳士もいます。
普段からタクシーを主な移動手段とする人も多い為ひっきりなしにタクシーが来てくれるのですが、個人タクシーが到着すると「よかったらどうぞ。」と先頭のご婦人が僕にタクシーをゆずり乗ろうとしないのです。
そして僕も後ろの人に言います。「私も結構ですのでよかったらどうぞ。」しかし後ろの老紳士も言います。「いえ、私も『個人タクシーには乗らないので』良かったらどうぞ。」というわけで4番目に並んでいた若いビジネスマンが乗ることになりました。

僕が後ろの人に譲った理由も実は、後ろの紳士と同じく「個人タクシーには乗らない」ようにしているからです。そういうことが2台目の個人タクシーでも繰り広げられた後、そうこうしているうちに次に桜のマークの行灯を上に乗せたタクシーがやってきました。
先ほどは頑として個人タクシーに乗ろうとしなかった前の老婦人が躊躇なく乗り込んで行きます。

■僕が個人タクシーに乗らなくなった理由

僕と他の人の個人タクシーに乗らない理由が同じかは定かではありませんが、僕個人の理由を一言で言えば「サービスが不均質であることに対する不安」がその要因です。もっと直接的に言えば個人タクシーに乗ってイヤな思いを何度かしているからです。もちろん対応が素晴らしい運転手さんも何度も会ってますがイヤな思いを何度かして以来絶対に乗らないと思ってしまっています。そういうイヤな思いを絶対にしたくないなら、トラブル承知でクレームを入れたり、ソーシャルで派手に晒したりするより簡単な方法はそういうタクシーに遭遇する確率を下げるように生活者サイドでルールを作るのが一番楽だし賢いと思っています。

僕は自家用車を持ってませんし、毎日同じ電車に乗ることを避けている事情がある為この10年程は、近郊の移動ではよくタクシーに乗ります。
都内では路上で拾うことが多いですが、あるルールに基づいてタクシーに乗っています。
それは日本交通→他の東京4社(KM、帝都、大和)→チェッカー→アプリで呼ぶか時間が厳しいようなら諦めて最寄り駅まで歩く。です。
この方法で乗るようになってからは嫌な思いをすることは一切なくなりました。

僕が具体的にかつて遭遇したイヤな思いの一例をあげると、銀座のタクシー乗り場に並んで、順番で来た個人タクシーに乗って行先を告げたら「えっ〇〇(目的地の地名)?もぉー俺がどれだけ並んだと思ってんだよー(行先が比較的近い為)」と言われ、「申し訳ありません。では結構です。」と降りようとすると「ちょっと!乗車拒否になるからまずいんだよ。乗れよ。」と言われて乗ったことがあります。
その後、ちょっと腹が立ったので「そんなにお金が必要なら、遠回りしてください。レインボーブリッジを渡って」と言ったところ本当にレインボーブリッジを渡って帰宅しました。いつもなら2,000円を切る料金のところ、メーターは6000円になっていました。(もちろん払いました)

これ同じことをもし女性や老人がされたらとても怖いと思いますから。まぁ推測ではありますが、立地的に比較的短距離になりやすいこの場所に住んでいる方は同じような思いをしたことがあるのかもしれません。

■サービスをブランド化すること=サービスを均質化すること?

今月のハーバードビジネスレビュー2015年8月号には前述した老婦人が待ってまで乗った桜のマークの行灯の日本交通川鍋社長が「日本交通のタクシーはなぜ選ばれるようになったのか?」を寄稿されており、同じサービス業を経営するものとして頷く点が多く、また、この「サービスの均質化」が如何にサービスのブランド化に重要であるか、また、直接は書かれていないもののその不断の取り組みの苦しさについても行間から伝わってきて胸が熱くなりました。

詳しくは、本誌を読んでもらうとして、かいつまむと川鍋社長は就任以来、サービスの詳細なマニュアル化を推進し、同時にドライバーのキャリアパスを明確にし会社としてのブランドを守る人を引き上げる人事体系を定型化したとのことでした。その中で注目すべきことは、過剰なサービス(例えば観葉植物や芳香剤を社内に置く等)をしていたドライバーにそれを止めさせることも中にはあったとのことです。
また、車に乗り込んだ時の掛け声なども統一しブレをなくしたということでした。
もちろん掛け声「こんばんは日本交通です」と「ありがとうございます日本交通です」のどちらがお客様の満足度が上がるかなんぞは究極的にはロジック的に説明することは不可能に近くなってくるので、統一したサービスレベルを確立するのだということ自体を目的として「トップがロジックを超えて意思決定することがサービス企業の最期の一線である」とはっきり言われていて、まったくもって同意するところでした。

このサービスの均質化とそれを経営が徹底させきれるかがサービス企業の最期の一線である。という言葉は非常に重いものがあります。
なぜ、重いかというと、ものすごく痛みを伴う長い道のりだからです。
川鍋社長の寄稿の中にも少し触れられていましたが何が一番苦しいかというと「自律的におもてなしを行うような、それなりに意識の高い社員が去ってしまう過程が必ずある」からに他なりません。

特に営業員などを顧客とのサービスの接点の要員が主軸の企業ではこの問題はスケールするうえでの最大の課題です。
とりもなおさずそれは自社の風土やマニュアルにとらわれず良かれと思って自発的に考えて結果を出そうとする人が評価されないことがある風土であり、数字を出したらなんでも許される風土の排除に他なりません。
この日本交通のケースの中ではこの過剰なサービスの提供も戒める対象になっていることが最大のポイントと思っています。
タクシー業界の中では日本交通はそれまでも「過剰サービスの日本交通」とか「バカ丁寧で逆に面倒」とか言われてきたわけですから。
我々のほとんどはサービスは良ければ良い方がいいと思いがちですから、それを高める為の努力に目を向けるばかりに過剰であったりマニュアルを守らなかったり気分で対応を変えていても本人が良かれと思っていてしかも一定の結果が出ていれば「褒めざるをえない」だったり、酷いと「彼を見習え」となり、全体のサービスが統一されないままサービスレベルが低い人のロールモデルにさえブレがでてしまい再現性を低下させたり、あるべき姿が迷走してしまうことさえあったのではないでしょうか?

■「Webプラットフォームは個人芸を支援する夢のテクノロジー」は幻想だ

僕は自分の会社は、自由で先進的、クリエイティブなイメージのあるWebの業界の中にあって、営業活動や行動管理に非常に細緻なマニュアルを作っている会社だと思っています。
その項目は服装規定から言葉遣いにまで数年をかけて作り込んで来たものです。
僕たちは流れの早く、設備資本よりも人的資本がモノを言うネット業界を小資本で乗り切る為に、スーパープレイヤーを結集させ自由にその個性を発揮してもらうことよりも、普通の人や、自分を律することがちょっと苦手だけど性根は善良な人が集まって生き残ることを考えて組織作りを行い、その中で意識的な風土づくりとして細緻なマニュアルを作りその徹底をマネージャに課してきました。
またマネージャーは手順のマニュアル化とその徹底をできるものを、利益を稼ぎ出す者よりも高く評価をしてきました。
ようするに一般的に言うところの「あまり面白くない会社」を作ってきました。
しかし、結果としてライブドアショックリーマンショックも震災も乗り越えてずっと増収増益と人員の拡大も続けています。
もちろんその中では川鍋さんが言うような、そのやり方や組織を面白く思わない優秀な社員が去ることも多くありました。
メディアや広告やITに携わる人はクリエイティブな脳をお持ちだと思いますから「我々はタクシー運転手ではない。」と思うかもしれませんが、果たしてそうでしょうか?
いずれもサービス業であることに変わりはなく、また、Web業界自身が良かれと加速させているWebやネットのイノベーション、例えば「シェアリングエコノミー」や「クラウドソージング」などは一見個人芸が組織に勝てる時代の到来のようにもてはやされていますが僕は逆だと思います。
個人はばらつきがあっても致命的にならない程度の付加価値の低い仕事を、フラットなプラットフォーム上で個人同士で競争しなければならず囲い込みも出来ない地獄のような時代と見ています。
更にその競争には今後ロボットやAIが参戦してくることは必至となっています。
人間が人間らしいサービスで競争を生き抜く為には会社という枠組みを上手く活用して結集し、均質なサービスの上に、組織芸としての新たなサービスを確立する段階に来ていると思います。

「自由な環境の中で生まれる個人芸が生んだ伝説のサービス」といういわゆる「ザッポスモデル」は既にサービス企業の最先端では、その「実運用の非現実性から」メッキがはがれ、その一番の原因は何を隠そうザッポスを買収したAmazonを筆頭とする「すべてをフラットに競争させていくプラットフォーム」のせいというジョークのような展開になっているように僕には思えます。

ITやネットはむしろ「均質化したサービス」を拡張させることに相性がよく(少なくともビジネスのスケールや利益という点で)、とびぬけた個人芸はその再現性の低さ、スケールや伝承の難しさから最終的には均質化サービス+Webプラットフォームの組み合わせに押しつぶされることになるだろうと思います。

例えばタクシーの業界などもUberやLINEタクシー、配車アプリなどWebプラットフォームが爆発的に競争環境を変化させようとしています。
同じようにどの業界もWebプラットフォームが今後競争環境を変化させていく中、個人芸を突き詰めたピン芸人が疲弊しながら必死で戦うマーケットと、組織として均質化したサービスがブランド化しユーザーを囲い込んでしまうマーケットに二分化されてしまうことでしょう。

その中で自分たちはどちらでサービスを提供する側の人間になるのか中で働く一人ひとりもその大きな流れを理解した上で自分の仕事にあたらねば、悪気もなければサービスする気に満ち溢れていても、たとえ値段を安くしたとしても使ってもらえる機会さえ与えられないサービス提供者となって行く運命にあるのかもしれません。

雨の中、折角迎えに来たのに逆乗車拒否をされてしまうあのマンションの前の個人タクシーのように。

さて、組織の中で働くというのはつまらないことのように言うのは詰まる所、どんどんオープン化するマーケット必死で毎日切った張ったをやらざるをえない個人芸の人達のポジショントークにすぎません。

本当に消耗するのは「東京に居る人」ではなく、オープンマーケットで尖った芸を披露し続けなければいけない個人芸の人達です。

そう思うと暑い中の満員電車も暑くなくなる、、、わけはありませんが、まぁ僕らにできるのはまずは決められたサービスレベルまで自分のサービスを持っていくことだけです。
まずは持ち場で今日も頑張りましょう。

サービサーの使い方がおかしいと指摘してもらったのでサービス提供者に修正しました。