起業家に持たせてやるなら金よりも「きびだんご」だろ!

スタートアップを始める方の意気込みってありますよね。
〇〇のアマゾンを目指す!とかはいいんですよ。一昔前までよく言ってたのは××のザッポスを目指すってやつですね。
でもたまに勢い余って「グーグルを超える!」とか、「アップルを倒す!」とか言ってる起業家の方も居ますが、やっぱり才能ある人は違うなぁと思うわけです。

さて、、
起業家支援を今政府は検討しているそうです。
補助金で年収500万円保証 政府、起業促す」2014/5/3 2:04日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC02010_S4A500C1MM8000/

起業の奨励の国家としての本来の目的は、
①新たな産業の育成による国家間の産業競争力の再生
グローバル化から来る産業構造の変化(製造業→サービス業)に対応し、新たな雇用の創造。
③儲かる会社を国内で創造することで景気浮揚と税収増加をし財政の健全化を進める。

であるとあんまり難しいことが分からない僕は思いたいです。

だとすれば、起業奨励の目的は、起業自体でなくて新しい会社が成功し拡大路線に乗ることだという認識です。

(僕は非エリートなので簡単な理屈しか分かりません。ここまででずれている場合は例によってこの後出てくるエリート様の反論の方が正しいのでそちらを読者の方は信じてください。)

だとすれば、やはり起業家支援はチーム作り支援であるべきです。
起業というのはリスクテイクのことですが、「リスクを取らずに出来るようにしたら起業数が増える」という考えはやはり、目先のパラメーターとして役所が「起業数」を追っているだけと言われても仕方ありません。
成功する起業家の方の熱意たるや相当のものですが、一番ひっかかるのはパートナーの確保です。
昔話の桃太郎はピンで鬼が島には行きませんよね。
そして、桃太郎は「鬼退治」(今風に言うとグーグルを倒す!です。)という、わけのわからんビジョンを掲げておじいとおばぁの元を出発しますが、途中で犬、猿、キジを仲間にします。でもちゃんと給料を出します。
「キビダンゴ」です。
このきびだんごよく考えたらおじいちゃんとおばあちゃんが持たせてくれたものですよね。

僕はこれをお上がやることがいくらかマシな起業家支援なんじゃないかと思うのですよ。
「きびだんごを持たせてやること。」
そしてそのきびだんごを持って、犬なり、猿なりを誘えば起業は成功する確率が格段に上がります。

新橋の居酒屋に行ったら威勢のいい桃太郎がいっぱいいますよ。
彼らが一旗あげられない大きな理由に仲間を誘おうにも「きびだんご」がないというのもあると思うのですよ。

場合によってはめちゃくちゃ強い犬とか、猿とか、キジとかが居て、そいつらを仲間につけてやればへっぽこ桃太郎もそこそこ勝つ可能性はあるわけです。10億くらいまでならなんとかなります。桃太郎自身も経営をやる中で成長すれば筋がよければ50億くらいまでなら行くかもしれません。
それ以上は、、ホンモノのヒーローである必要はありますが、、国としては、アメリカまで乗り込んで携帯電話会社を買っちまうような桃太郎、、いやあそこまでいけばむしろ鬼ですが、、、が山ほど出ることが500万のばら撒きでできるとは思ってないでしょう。

カネを出すなら仲間集めがうまくいくように「きびだんご」を持たせてやるような方法。
育成するなら犬、猿、キジの戦闘力が上げたり、頭数を増やす方がよいのではないでしょうか?犬猿キジは組織内に何匹居ても困らないわけですし。

直接、起業家支援で500万ぽっちをいろんな人に渡したところで新橋の居酒屋が混むだけの気がします。

ただ、「きびだんご」は結構速いタイミングで底をつきますから犬、猿、キジは死ぬ気でスピードを持って皆で事業を組み立てること。

ドワンゴの川上会長は初期の資金繰りでお父さんの退職金を借りました。
父上は本当に素晴らしい人で、数十年勤め上げて手にした貴重な老後資金である退職金を「きびだんご」として息子にわたしますが、川上さんはそれをわずか数か月で溶かしてしまいますw
その時に気付いたそうです「自分はなんてとんでもないことをしてるんだ!」ってw
もちろん、自腹で出した「きびだんご」や大切な身内からもらった「きびだんご」と政府が拠出した「きびだんご」でありがたみは起業家にとっては変るかもしれません。
しかし、重要なのは、貰う犬、猿、キジにとっては同じ「だんご」だということです。
受け取った側の意識に変化がないのなら、お上が助けてあげることに意味も出てくるのではないでしょうか。

ちなみに、仮に鬼を倒した後の犬、猿、キジのお宝の取り分?
んなもんはあらかた桃太郎にあげてしまいなさい。やはりリスクをテイクしたものがその報酬の大半を得るべきです。犬、猿、キジはきびだんごをもらって戦った時点で配分は少ないことをわきまえること。
しょぼい盗賊みたいに盗む前から取り分で仲間割れの殺し合いをしないようちゃんと犬、猿、キジ(No2、No3)のしつけは必要でしょうね。

なんか、この起業家支援の支援金の件のコメントを見ると、「不正に受給する奴が〜」みたいな話がいっぱい出てきますが、、国がスタートアップを支援するという流れ自体は僕は良いと思います。
ただ、ポイントをちゃんと見極めて支援をするかしないかで、新橋の居酒屋で妄想を語ってるオヤジが起業家になる可能性もあるし、脱サラして昼から新橋の居酒屋で妄想を語るオヤジが増えるだけになる可能性もあります。

まぁ、そんなことはエリートの方々は百も承知でしょうから、戯言と思って聞きながしてください。

では